公開: 2023年3月19日
更新: 2023年3月19日
善とは、人間として正しい行為を、行うべき時に、行うべき方法で、行うことができることを言います。そのように「善いこと」と評価される行為の例と、それが行われた状況、すなわち、「いつ、誰が、どのような条件の下で、どのように、何をしたのか」の具体的な事例を集めて、個別の事例から、「善」とは、どのようなことを言うのかの特徴を抽出して、それを一つの統一された「善」の概念として名付けたものを、プラトンは「善のイデア」と呼びました。
プラトンは、哲学で考え、議論すべき問題は、全て、そのような「イデア」であると主張しました。プラトンは、個々の問題を議論することは、哲学の使命ではなく、それらの個別の問題を抽象した結果として浮かび上がってくる、様々な例に共通している問題こそ、学問的に議論する価値のある話題であるとしました。それこそ、プラトンが「イデア」と言っていたものです。